マンネリ「やってられませんわ」
デュースがオンボロ寮に泊まる前提で、グリムに遊びに行ってもらっていて、ゴーストのおじさん達も部屋に近づかないようお願いしてある。となれば、私がそういうつもりであることはデュースに伝わっているだろう。
二人ともお風呂から上がっているし、お互い向き合ってベッドの上にいるのだから尚更。焦らせばその分、後で自分が大変なことになるのはわかっているけれど、このソワソワしているデュースが可愛いのでまだもうちょっと見ていたい気もする。
「……、いいか?」
だが私のGOサインより先にデュースの限界が来てしまったようだ。縋るような目で彼は私に許可を取ろうとする。一見、仔犬みたいだけど、頷いた途端に猛獣になるので油断大敵である。
毎回騙される私も私だが、どうにも私はデュースに甘かった。ので、いつもなら後々のことを考えずにOKを出していただろう。だがあいにく今日は一筋縄にはいかせない。
「今日は後ろからしてほしいんだけど……」
「後ろから?」
「たまには違うパターンも悪くないと思うんだよね……だめかな?」
「……わかった」
どう見ても納得してる顔ではないけれど、今回は譲ってくれるようだ。まあ彼も大概私に甘いのである。
というわけで早速デュースに背中を向けるように座り直した。さあどう出る?!とワクワクしていれば、背後からぎゅっと抱きしめられる。彼の温度に包み込まれ、安心感からデュースへもたれかかる。
「んっ」
パジャマの裾からデュースの手が入り込んだ。あとは寝るだけということもありブラは付けていない。なので一直線に胸へと向かった手は既にたぷたぷと私の膨らみで遊んでいる。
行為となるといつもガン見するぐらいにはデュースはおっぱい星人なので、胸が見えないこの体勢を残念に思っているのだろう。だから視覚で堪能できない分も触覚で楽しんでいるみたいだ。
片方ずつ揉みほぐすようにデュースの手が大きく動く。寄せたり揺らされたり、見えないけどもデュースの手の中でぐにぐにと形を変えているのだろう。彼と密着している安心感と、何をされるかわからないドキドキ感に変に敏感になってしまう。
見られていない分、恥ずかしさが軽減されて快感に集中できているのかもしれない。そんな私の変化はデュースにも伝わっていたようで「なんだかいつもより感度良くないか?」と訊ねられたが、その声にもびくついてしまった。
「ひあっ」
耳に、首筋に、背中、普段ならばあまり愛撫されることのない体の裏側にデュースが触れたり口付けたりする。その部分への反応が良いとわかると更に舐めたり甘噛みしてきた。
今まで知らなかったが、どれも性感帯らしい。それもかなり強烈な。ということは次からは盛大に活用されることだろう。デュースは要領こそ悪いが器用だし、こういった事の覚えは早かった。好きこそものの上手なれのお手本みたいだな、間違っても人様には話せないが。
強引にキスされながら乳首をこりこりと捏ねられる。唇と一緒に彼の右手が胸から離れる、なお左手は絶対に離す気はないとばかりに揉み続けていた。
ショートパンツの中に入り込んだ手がクリトリスを優しく転がす。充分濡れていたからだろう。続けて指が中へと出し入れされ、ぐちゅぐちゅと音を立てていた。
もう何度も体を重ねてきたせいか、見えないにも関わらずデュースは的確に私を追い込んでくる。ただ時折、彼の指先に戸惑いを感じるのはきっと気のせいじゃない。
「……なあ、。もしかして、こう、なんかすごくエロい下着付けてないか……?」
「んっ、バレちゃったかあ」
「触った感じ明らかに布がないんだが」
「付けたままできるやつだからね。それとね、これ後ろから見るのが一番えっちなんだって」
そう言ってショートパンツの中から、ショーツのサイドの紐をくいっと指で持ち上げる。この仕草はこないだ見た映画のまねっこだが、なかなか良い感じではないだろうか。
見てみたい?と煽る私に音でわかるぐらいデュースは首を縦に振っていた。そんなに大興奮してもらえたなら気合いを入れた甲斐がある。
ここでももう一工夫、あえてゆっくり服を脱ぐ。私が脱ぎ始めて同じくキャストオフしたデュースが全裸で待つ事になってしまったが、これも盛り上げる為に必要な工程のはずなので許してほしい。既にこれだけヤる気に満ちてるならいらなかったかなと思わなくもないけど。
見えていないけれど、きっとデュースの事だからキチンとゴムも装着済なんだろう。だから下着によっていやらしく彩られたお尻を突き出すように四つん這いになる。とんでも恥ずかしいことをしているけれど、デュースに顔を見られていないという状況は私を強気に、そして大胆にしてくれた。
「ッエロすぎるだろ!!」
「あああっ」
デュースが叫ぶと同時にズンッと勢いよく彼の熱が挿入される。がっちりと腰を掴まれ、激しく腰を打ち付けられた。その余裕の感じられない動きはそれだけ彼が興奮している証拠なのだろう。
この体位にしかないパンパンと肌がぶつかる音。いつもより大きなベッドの軋み。突き上げてくる快感だけでなく聴覚からの刺激も強くて。それに普段とは違い、挿入部だけしか触れ合っていないからか。ひたすら性器の快感に集中してしまう。
デュースにしがみついて爪で怪我させることもないし、音に釣られて喘ぐ声が大きくなることに抵抗もなくて。すごく気持ちよくて、また違う魅力があるのに、どうしても寂しく思ってしまう。
「、ッ」
「んんっ、デュー、ス」
背中に覆い被さったデュースが抱きついてくる。彼も寂しかったんだろうか。シーツを握りしめた手に彼の掌が重なる。密着感と大きな手に快楽とはまた違う気持ちよさを覚えていた。
ぐんっと奥を突かれた瞬間、ひときわ強い快感の波が押し寄せる。バチンと目の前で光が弾けて視界がチカチカしていた。どくどくと胎内でデュースの熱が脈打っている。私の絶頂から来る反応に彼も達したようだ。
一瞬脱力したデュースがもたれかかるもすぐに体を起こして熱を引き抜く。さすがにこの体勢のままは恥ずかしくて、寝る時のようにころっと横に寝転がった。
お互いの荒い息だけが部屋に響いている。ふとデュースと目が合う。キスの時は瞼をつぶっていたから、こうして視線を交わすのは行為が始まってからは初めてだった。
「やっぱり僕は顔が見れる方が好きだな」
「……もうちょっと休憩したいな」
「さっきはの頼みを聞いた分、僕のお願いも叶えてほしい」
すっかり元気を取り戻したデュースのデュースくんを備えて、見るからに再戦する気のデュースにストップをかけるも一蹴される。そして私の弱い表情で「だめか……?」と訊ねてくる。己の顔面フル活用してくるじゃん……。
まあ少し休んだところで、結局私の腰が死ぬことには変わりないし。覚悟を決めて「いいよ」と答えた瞬間、ギラギラ光りだしたデュースの目に若干、早まったかもと思いながら、私は再び彼に押し倒されるのであった。