青少年式試験必勝法

 学生の本分は勉強である……なんて口にするつもりはないけれど、私と相棒であるグリムは特殊な立ち位置から人より勉学に励まなければならないのは事実で。そして警察官という狭き門の先を目指す私の恋人も、要領の悪さもあり、人より頑張る必要があった。
 だから今から半月前、テストが終わるまでお互い勉強に集中しようと決めた。そしてちゃんと約束を守ったおかげで、私もデュースもなかなか良い点数を取ることができて、だから。

「あっ♡ でゅーす、んんっ♡」
ッ……!」

 恋人繋ぎにした手がぎゅっと握り込まれる。切羽詰まった顔のデュースが噛みつくように口付けて、私の胎内に入り込んでる彼の分身がぶると震えた。
 荒い息を溢しながら、私を貫いていた物をデュースはずるると抜いていく。何度も達して敏感になった胎内はその小さな刺激にすら甘い声を漏らす。それにデュースの熱がぴくと鎌首をもたげた。
 さっき出したばかりなのにもう元気になってる様はまだ足りないと訴えているかのようだった。私も同じ気持ちだ。
 健康な十代男女の性欲を舐めちゃいけない。よく聞く学生時代にセックスを覚えたら猿になるってこういう事なんだろうな。まだ私達はある程度は我慢できるだけマシなのかもしれない。いや、でも、こうして爆発してからはずっと馬鹿みたいに抱き合ってるのだから結局は同じ穴の狢か。

「でゅーす、もっと、もっと……♡」

 甘ったるい声でねだる私にデュースは喉を鳴らす。すかさずゴムの処理を手早く終わらせた彼は枕元にあった箱を覗いて顔をしかめた。

、悪い。ゴム切れた……」
「そ、そっか……わかった」

 夢中になっていたせいで気付かなかったが、もうそんなに体を合わせていたらしい。私だけがガッカリしているわけじゃないのはデュースの顔を見れば一目瞭然だった。
 まだ足りない。でも何かあった時にどうにかなるほど私達は大人じゃない。だから気まずい雰囲気のまま、お互い掛布の中に潜る。ぎゅっと私を抱きしめながら「おやすみ」とデュースが口にする。それに私も同じ返事を返した。

「……」
「……」

 いつもなら落ち着くはずの彼の心音だが、今日はドッドッドッと勢いが良すぎて逆に気持ちがざわつく。眠らなきゃと思えば思うほど目が冴えてくる。
 久しぶりなのに、この位じゃ足りない。解消しきれなかった欲求からか、思わず下腹部に手を伸ばしそうになり、慌てて止める。デュースがすぐ傍にいるのに何を考えてるんだ。私、いつからこんなにいやらしくなったんだろう。
 間違いなくデュースのせいだ。ただでさえ欲求不満だったからだろう、すぐに苛立ちが湧き上がる。それをぶつけるようにぐりぐりと彼の肩に頭を擦りつける。
 デュースも起きているが、私にされるがままだ。うっとうしいだろうに必死で寝たふりをしてる。そうやって、セックスも嫌がらせも私の為に耐えてくれる彼が愛おしくてたまらない。
 ときめいてるうちにパッとある事を思い出す。たくさん練習したけども自信がないからと彼は言っていたが、もうこれしかない。

「デュース」
「……どうした?」
「確か避妊魔法、使えるんだよね……?」

 優しげな声で尋ねてくれた彼の顔は見れなかった。デュースの肌に顔を埋めたままの私だったが、彼が息を呑んだ気配はハッキリわかってしまう。
 自分から誘って、その上とんでもない事を言ってる自覚はある。すごく恥ずかしい。でも、そうしてでもデュースと繋がりたかった。
 デュースが身を起こす。覆い被さりながら口付けてくる彼の背中に私はそっと腕を回した。

「じゃ、じゃあ、今からかけるな」
「う、うん……」

 さっきまでしていたのだから、すぐにでも挿入できた。でも気分的に仕切り直ししたかったのか。デュースはもう一度キスからやり直して。そうしてようやくこのムードに辿り着いた。
 デュースの指先が私のおなかの上で文様を描く。以前興味本位で調べていた為、それが避妊魔法を発動させる為の魔方陣だと私は知っていた。それを見て今更ながら本当にとんでもない事をしてしまうのだと実感が湧いてくる、けれど後悔はしていない。どうしても私は今デュースと深く触れ合いたいから。
 私のおなかに光が染みこんで熱が宿る。熱いくらいのそれがどうにも気持ちいい。うっとりと目を細める私にデュースは「よし!」と小さくガッツポーズを取っていた。実際にかけるのは初めてだから緊張していたんだろう。

「でゅーす、きて……♡」

 期待が声に滲む。我ながらはしたないと思う、でもデュースには効果抜群だったみたいで彼の息は興奮を隠しきれていなかった。
 足が彼の肩に担がれる。デュースの先端が入り口に触れれば、ぬちゅといつもより粘っこい水音が立った。私の愛液とデュースの先走りが混ざる。ぬぷぷと彼の熱を私の中が飲み込んでいった。
 先程の余韻もあってスムーズに奥まで私の中を押し広げている。こんなにも彼は熱かったのか。初めてなんの隔たりもなく繋がって知った温度に身震いする。はっきり分かってしまう彼の形にまるで覚えろとばかりに教え込まれているようだと思った。

「あ、ぁあ♡」
「……すごいな、これ」

 呟くデュースの声はいつも以上に余裕が無い。男の人は生の方が気持ちいいというのはよく聞く話で、女の私がこんなにも感じてしまっているのだから、きっとデュースは想像も付かない位の快感を得てるんだろう。
 まるで自然に動き出してしまったかのようにゆるゆるとデュースが腰を振る。緩やかな刺激のはずなのに、ダイレクトに伝わってくる感触から訳が分からないぐらい気持ちよくなってしまう。電流に似た快楽が背筋にびりびり走り続けて。
 いつもよりも彼の動きが控えめなのはそれだけ刺激が強いのだろう。ゆっくり抜き差しされる。さっきから喘ぎ声が止まらない。
 もっと奥に欲しくなって、彼の腰に足を巻き付けて引き寄せる。それにデュースは「う゛っ」と低く唸り、お腹の中にじわとあたたかいものが広がった。私達、まだ学生なのに生で、それも中に出して。

「ひぁあっ♡」
ッ、悪い!」

 中出しの感覚に身震いしていれば、デュースは私の腰をしっかり掴んで揺さぶってくる。どろどろになった中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、思わず腰をくねるけれど何の抵抗にもならなかった。

「やぁあ♡ でゅーす♡ だめ♡ こんなのはげしすぎるよ♡ ひゃうっ♡」

 喉を反らしながら制止する私の声はとにかく甘くて、我ながら全然説得力がなかった。彼を受け入れる中もぎゅっぎゅっと何度もきつく締め付けるばかり。
 そうこうしているうちにただ腰を打ち付けるだけの動作から、私の弱い奥を責める動きに変わった。こつこつと子宮の入り口をノックされて、ぐりとこじ開けるように先端がねじ込まれる。だめだと思う心とは裏腹に私の体は彼の亀頭を銜え込んで。

「〜〜〜やあああッ♡」

 その状態で少し腰を動かされただけで、一気に上り詰めてしまう。強すぎる快感に思考がスパークする。こんなにも気持ちいいのはだめだ。ばかになってしまう。
 ごちゅん、と絶頂の余韻で激しく収縮する中をデュースの熱が抉る。その衝撃と快感に私の体が大きく跳ね上がった。

、一番奥に出すからな……!」
「あっ♡ だめ、だめえっ♡ ッあ、あ……ぁ……♡」

 再びデュースの分身が大きく脈打つ。それと同時にどぷどぷと私の最奥へと熱がたっぷりと流し込まれていった。私の中はまるで喜んでいるかのよう蠢き、彼の精液を飲み干そうとしていた。
 子宮を満たす熱の感触に身を震わせる私はきっと恍惚した表情をしているのだろう。おなかを撫でて、そっと彼の背中に腕を回す。
 二度の射精で少し冷静になったのか。また元気になりつつも、デュースが動き出す様子はない。すごい回復力だなとムード皆無の感想を抱けるくらいには私も落ち着きを取り戻していた。

「……デュース、これ癖になっちゃいそうだから……試験が良かった時のご褒美にしようね……」
「ああ……」

 こんな事を言ったばかりだけども、彼にぎゅっとしがみつきながら私はもう手遅れだなと自覚していた。

back