早く起きてと祈ってたとか

 デュースが錬金術の授業中の事故で女の子になってしまった。錬金鍋が爆発したのである。全部入れてみようとか、適当じゃだめか?とか雑だったからなあ。だめだよ。
 クルーウェル先生曰く、彼の浴びた薬だが明日中には効果が切れるだろうとの事。幸いデュースが女の子になったのは本日最後の授業だったし、明日は休日だ。
 なので当初の約束通り、部活が終わった後、デュースはオンボロ寮にやってきているのだけれど……。
 本来異性である彼と何故お泊まりの約束をしているのか。早い話、私とデュースが恋人同士で、まあその、一緒に夜を過ごすような関係にまで発展しているからである。
 それで今日も彼はそういうつもりでいたのだと思う。朝からやたら浮かれてたし、おかげで錬金鍋爆発させるくらいには。
 ベッドの上で向かいに座る彼は難しい顔で考え込んでいる。私がおやすみと言って布団に潜ろうとした時からずっとこの調子である。どうやら女の子になっても彼は私を寝かせたくないらしい。

「なんとか早く戻せないだろうか……気合いか根性で……」
「うーん、回復魔法で新陳代謝を促すとか?」

 そういって目の前のクール系美女(※ただし脳筋)は無言で首を横に振った。デュース、メモリーですら一体も回復魔法持ちいないもんね……。
 打つ手なしとわかったからだろう。彼の美しいかんばせが愁いを帯びる。綺麗な顔してるだろ、でもこの人セックスしたいだけなんだぜ……。
 彼が言うには「母さんの若い頃に似てる」らしい女性のデュースは元々惚れた欲目もあるだろうけど、女の私ですら見惚れるような美女だった。
 元がいいからなあ。あと男の時から巨乳だからか、女の子になってもボインボインなんだね。制服パッツパツで他の生徒が目のやり場に困ってたレベルである。今日は部活でタイムが悪かった……とデュースはしょんぼりしていたが、確実にそれのせいだと思う。

「なあ、……」

 今日が楽しみだったのは私も同じで。昨日はなかなか眠れなかった、おかげでまだ早い時間だというのにやたら眠い。彼には悪いがもうお布団入りたい。ぎゅってくっついて眠るだけじゃだめかな。
 うつらうつらと、どんどん眠気に負けてきている私の袖をデュースはくいと引く。叱られたわんちゃんみたいな顔といい、ひどくあざといと思うのにときめかずにはいられない。

「触りたいんだが、だめか……?」

 女の子になったからって触っちゃダメなんて一言も言ってないのに。でもちょっと鈍くて素直な彼には言葉にしてあげるのが最適解で。デュースに触ってほしかったと本音を口にすれば、目の色を変えて彼は私を押し倒した。

「ふ、ぁ」

 合わせられた唇はすぐに深くなる。いつもより舌が小さいのは薬の影響なんだろうか。酸欠と気持ちよさについ抱きつけば、ボリューミーな膨らみが私の胸を押しつぶす。胸囲の格差社会をまじまじ思い知らされてちょっと悲しくなった。
 、と耳元で囁かれる。その声は普段の情事と同じく熱いのに、いつもより高くて、なんだか不思議な気分だ。ふわりと香ってきた彼の匂いも女の子のそれで、ちゃんと良い匂いなのにどうしてか寂しくなった。
 デュースが服を脱ぎ捨てていく。女の子に対して、最初の頃は私にすら躊躇っていたのに、今の彼は迷わず裸になって。自分の体だから問題無いんだろうか。私よりよっぽどナイスバディなのに。
 やわらかくて豊満な胸は下着がなくても谷間ができている。程よくくびれた腰、肉付きのいい太股。どこをとっても女性としての魅力は今の彼の方が上だろう。でもそんな男の夢みたいな体にデュースは目もくれず、少しだけ見えている私の首元に息を荒くしている。
 ぢゅ、と強く吸い付かれ、鎖骨辺りに唇の形の赤色が咲く。続けて彼は私のナイトウェアを頭から引き抜いた。
 お風呂上がりだからブラは付けていない。ショーツ一枚にされた私は咄嗟に腕で胸を隠した。彼のたわわなものと比べてあまりにも貧相だから、今日はいっそう見てほしくない。

、腕どけてくれ……」

 私の複雑な乙女心も知らず、デュースは残酷なお願いをしてくる。でも懇願するだけで無理にのけたりしない。女の子になってもデュースの方が力が強いのに。
 そのあまりにも必死な表情と声にほだされて腕を下ろす。それにぱあとデュースは明るい顔を見せたかと思えば、すぐさま胸の先を口に含んだ。どれだけ触りたかったんだ。
 ちろちろと子猫がミルクを飲むみたいに乳首を舐められる。味わうように吸って、緩く噛んで。それに私は喉を晒しながら喘ぐ。触られていないのに主張し始めていたもう片方も彼は貪った。
 両胸を執拗にむしゃぶりつかれて息を上げる私にデュースはいつも通りギラついた目をしている。女の子になったのに雄の顔をする彼におなかがきゅんと疼く。
 彼を見やる私はいったいどんな表情をしているのか。自分ではわからないけれど、目が合った瞬間、舌なめずりした彼にそういういやらしい顔をしているんだろうなと思った。
 おなかを一撫でした彼の手がショーツの上から秘部を押す。くち、と明らかな水音が聞こえてたまらなく恥ずかしい。するする脱がされていったショーツのクロッチ部分と秘部の間で糸が引くのをデュースはいやに興奮した様子で見ていた。
 脱がし終わった途端、彼は躊躇なく私の足の間に顔を寄せる。悲鳴じみた声を上げたときにはもうデュースの舌は私の秘部に触れていた。

「やっ、あっ、でゅーす、やぁあ……」

 いやいやと腰を引こうとするけど、がっちり足を掴まれて逃げようがない。滴っていく愛液を彼が音を立てて啜る。それに感じた私の体は舐め取られたはしからまた愛液をこぼして。
 尖らせた舌先で花芯をつつかれ、彼の頭を押しのけようとするが全く動かない。下側から舐め上げたかと思えば唇で挟み、ちゅうと吸い付かれた。強い快感に耐えきれず、背を仰け反らせるようにして私は達してしまった。

「……いれたい」

 与えられるはずの彼の熱を待ちわびているのだろう、ひくひくと膣口が物欲しそうにしているのが自分でもわかってしまう。
 私から愛撫されたわけでもないのにデュースの内股は彼自身が零したであろう愛液で濡れていた。だがそうなっている以上、私の希望も彼の願いも叶わないのだ。
 それがわかっているからだろう。拘束する彼の手は殆ど力が入ってなくて、私は普通に起き上がることができた。?と不思議そうに私の名前を呼ぶ彼に答えず、私はベッドヘッドの引き出しからあるものを二つ取り出した。
 いつも使ってるゴムと一緒に置いたもう一つの物を見た瞬間、デュースはあんぐりと口を大きく開けていた。それを指差す彼はひどく困惑している様子だった。

「な、なあ、、これは」
「……デュースとえっちし始めたばかりの頃、痛がってばっかりだったから、このままじゃ嫌われるかもって」

 練習していたのだと口にする自分の声は真実しか言っていないというのに、まるで嘘を吐いているかのよう尻すぼみになっていった。
 彼の前に出したもう一つの物とはディルド……つまり男性器を模した器具のことである。彼の物よりは一回り小さいけれど、それでも気持ちよくなる事はできるのだ。

「なんで僕がを嫌うんだ?!」
「えっ、気になるとこはそこなの……? いや普通に感度悪いのって嫌でしょ、雰囲気悪くしちゃうし」
「僕ばかりが良くなっているのは悪いと思ってたんだが、が僕のことを受け入れてくれるのが嬉しくてそんなこと考えた事なかったな……」

 予想外の形で彼の愛情を思い知って喜ばしいのだけれど、その反面、本題が言いづらい。とんでもない方向に話題飛んじゃったので余計に。
 でも私が切り出さないといつまで経っても話が進まないだろう。なので羞恥心に抗いながらも何とか口を開く。

「今はこれ、使って。元に戻ったらいっぱい、する、から」

 私の提案は無事に伝わったらしい。デュースはゴムをディルドに装着して、彼によってほぐされた秘部へ先端を宛がう。十分過ぎるほど濡れていたそこは、にゅぷと音を立ててディルドを飲み込んでいった。
 彼の物とは違って感じない熱にぶると体が震える。指よりも深くまで届くし質量もある、でもデュースよりは浅い所しか擦れないし、一番奥には当たらない。
 でもデュースが接合部を見て生唾を飲み込む姿と、今それを扱っているのが彼だという異様な状況に私は興奮を覚えていた。
 手に持ったそれを私の中から引き抜いて、続けて押し込んで。直接的な刺激にヨくなるのは私だけ。ただくちゅくちゅと動かす度に立つ音には彼も欲を煽られているようだった。
 どうせならもっとデュースにも楽しんでほしい。いつもなら恥ずかしくてできないけども、自分から腰を動かせばデュースは顔を真っ赤にしていた。私の痴態にしっかり当てられてくれたようだ。

「でゅーす、きすしながら、して」

 使い始めた当初は全く感じられなかったけど、彼とのセックスを思い出しながら動かせば、それまでが嘘のように気持ちよくなってしまって。
 だから、いつもみたいにしてほしくて。そうおねだりしたところ、私の意図をくみ取った彼が正常位に似た体勢になってくれる。口、それから肌を密着させながらディルドを動かされると本当に彼とセックスしているみたいだった。
 性行為において、女は肉体的な快感より精神面での盛り上がりが重要だというのは本当だったんだなあと今更思う。だって今、すごくきもちいい。

「すき、でゅーす」

 もつれた舌でそう口にすれば「僕も愛してる」と当たり前のように返される。それが引き金だった。彼の手を太股で挟み込みながら、びくんと体が跳ね上がる。
 はあはあ、と二人分の息遣いと秒針の音だけが部屋を埋めていた。絶頂の余韻に浸る私へデュースがキスをする。重なり合うように倒れ込んで、しばらくして彼が身を起こした。

「その、……悪いが、戻った時、あまり優しくしてやれないと思う」

 さっきのやりとりは彼にとっては逆効果だったか。申し訳なさそうな顔をしつつも、暗に抱き潰す宣言するデュースはとてもかわいい。言ってることは可愛くないとわかってるのに可愛く思えちゃう時点で重症である。

「……たのしみにしてるね」
「えっ」

 元々眠かったし、行為で疲れたり、達した事でふわふわした気分になっていた事もあって、私はすうと一瞬で眠りに就く。
 そのすぐ直後に元に戻ったデュースは眠れぬままずっと悶々しており、起きた瞬間、つまり朝っぱらからめちゃくちゃにされる事を夢の中の私は知るよしもなかった。

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