無茶ぶり彼女と優しい彼氏のエースくんリターンズ
生理ってもんは、なんて空気が読めない奴なんだろう。あんまりにも融通が利かなすぎる。私の体の中で起こる事なんだから、私の言うことを聞いてほしい。それか気合いで止まってほしい。
そもそも体調不良の原因なので生理を好き好んでいる女性は少ないと思うが、いつもにも増して私が不満をぶちまけているのにはワケがある。
「、めちゃくちゃ眉間に皺寄ってるけど今回の生理痛重いの?」
「いやどっちかというと楽な方なんだけど……」
私の隣に腰掛ける、生理に理解のある彼氏であるエースがおなかを撫でてくれている。おうちデートということでオンボロ寮で出迎えて間もなく、エースに生理になってしまったことを告げてからというもの、彼は嫌な顔一つせず労ってくれていた。
この世界は女性を大切にする傾向があり、また元の世界よりも性教育が重要視されている。そのためか、匂いとかで意図せずともわかっちゃうんだろうけど、この世界の男性は生理のことでからかったりしてくることはないし、なんならこっそり気遣ってくれたりする。
異性の生理現象を理解するため、魔法を使って女性なら勃起や射精、男性なら生理や妊娠の感覚の体験授業もあるので、基本的に造詣が深いし対処法がしっかり身に付いているのだ。
本当は小学生か中学生辺りで習うんだけども、私は異世界出身ということで、先日特別に体験授業の場を設けてもらって。
いやー興味深い内容だった。思ったより誤作動しちゃうんだな……とか、射精した後って全てが面倒になるのにエースよく後片付けちゃんとしてくれてるな……とか、色々わかってたいへん有意義な時間だったね。
「今日はエースといっぱいイチャイチャしたかった……」
話を元に戻そう。私が生理に普段よりも憎しみを抱いているのはさっき言ったことに尽きる。エースといっぱいイチャイチャしたかった!!
テスト期間が明けて、久しぶりのデートだったのに。私は立場的に成績落とすわけにはいかないけど、テスト勉強は一人じゃないとできないタイプなので、テスト前からずっと我慢してたし、エースにも我慢してもらってたのに。なんでこのタイミングで来るんだよ!!
腹いせではないけれども、ぐりぐりとエースに頭を擦り付けるように甘える。ぶっちゃけ、いっぱいえっちなことしたかった!!
でも優しい彼氏であるエースは生理中に手を出すなんて真似はしない。いや私もされたらマジギレするだろうけども。それでもやっぱりえっちなことできるか、できないかでイチャイチャ具合って変わると思うんだよね。
欲求不満にう゛う〜〜!!って唸る私にたぶんエースは呆れた顔をしてるだろう。そんな中、ハッと私はあることを思い出した。
「エース、あの、またえっちなことして……♡」
キラキラと輝いている気がする目を向けておねだりする私に「こいつ、前回ので味占めやがったな……」とばかりに顔を歪めるエース。
でも近くに良い見本があったので仕方がないというか、エースだって私の立場なら同じことをするよね? というわけでどっかの誰かさんに似てきただけだよ、えへへ。
まあ我慢していたのはエースも同じだし、二回目ということもあってか、前回よりは渋られずその気になってくれたようだ。
「お前、後で覚えとけよ……」
「うん♡」
暗にお仕置き宣言されたけれども、全く堪えた様子のない私にエースは頭を抱えてた。
私をそんな風にしたのはエースだから諦めて責任取ってほしい。と、こうして彼のペースを崩したはずだけども、早くもエースは気を取り直したようだ。
ちゅ、とエースが唇を重ねてくる。彼が初めての恋人なので比較しようがないけど、エースは普段からよくキスをする方だと思う。そして、えっちなことをする前は必ずキスしてくれる。それがすごく嬉しい。
次々と降ってくるキスを喜んで受け入れていれば、にゅるとエースの舌が入ってくる。エースの舌が動くたび、粘液が絡まる音が体の中で響く。上顎をなぞられて甘ったるい声が勝手に漏れた。
エースに食べられちゃう。そんな風に考えながら、私は彼の服をぎゅっと握り込む。この快感を与えているのは彼だけど、こうやって今すがれるのもエースだけだから。
シャツの裾からエースの手が入り込む。キャミソール越しに私のささやかな胸を、エースはふにふにと殆ど力を入れずに揉む。生理中の張っている胸でも、加減してくれているおかげで痛みは無い。むしろ絶妙な指使いはただただ気持ちいいだけ。
もっと触ってほしい。自分から服をめくって、キャミソールも同じくまくる。私のこの行動は予想外だったのか、エースはぎょっとしてた。本当はちょっと恥ずかしい、でもそれ以上に我慢できなかった。
「まだちゃんと触ってないのに、もうここ膨らんでるじゃん」
ぷくりと立ち上がっていた乳首ではなく、その周りをすりすりと円を描くように優しく指の腹で撫でられる。焦らされてもどかしい。だから自分からエースの指に擦り付けようとすれば「こーら」とやわい声色で怒られた。
エースは私に意地悪するのが好きだから、その一環だろうけども、きっと私のワガママに対する意趣返しも含んでいるんだろう。
ようやく触ってくれても、あくまでもソフトタッチで。この敏感な時期を考えれば、絶対エースの力加減の方が正しいのに物足りないと思ってしまう。
「エース、痛くていいから、もっといっぱい触って」
「痛くするのってオレ趣味じゃないんだよね。だから、だーめ」
「……いじわる」
「お前の方がよっぽど意地悪なこと言ってるんですけど」
軽い口げんかになってしまったけれど、エースにキスされたことでうやむやになって。でも少しばかり怒ってることの意思表示に、いつもならなすがまま絡み取られる舌を引っ込める。なおすぐに捕まった。くっ、器用なやつめ……!
キスが終わった口が私の胸へと移動する。やっと触ってもらえるんだ、期待に体が震えた。思わず胸元へ意識を集中させていたところ、舌全体を使って撫でるように乳首を舐められる。舌のやわらかさと温度にぞくぞくと強い快感が走った。
舌先で突いたり、ころころ転がしたり、バリエーションを付けて舐められる。次の動きが予測できないおかげで、ドキドキと胸の鼓動はいつも以上に早い。きっと胸を愛撫する彼にもその変化は伝わってしまっていることだろう。
エースのせいで甘噛みされるのも気持ち良くなってしまった。でも今日の私には刺激が強すぎると判断したのだろう。歯でなく唇で食まれる。
根元まで口に含んで、ちゅうと音を立てて吸われる。時折、強弱を付けて吸い続けられているうちに、目の前がちかちかと明滅する。ぐっとおなかの奥から衝動が湧き上がって、びくりと大きく体が跳ねた。
絶頂を迎えた私をエースが抱き留める。弛緩する体は全然力が入らないけれども、それでもなんとか彼の背中に腕を回す。
本来なら前回と同じくこれで終わりなんだろう。私だけが気持ち良くなって終わり。エースはそれで許してくれる、でも。
「はっ? ちょ、……!」
「えーす、私も触りたいの……だめ?」
大きくなってるエースのズボンの膨らみを撫でる。前の時はすぐに眠くなっちゃったけど、今日は興奮していて眠気なんてどこへやら。そして何よりまだ足りない。
だって体験授業で知ってしまった。こういった状態で我慢させられるのが辛いことも、男の人も絶頂がすごく気持ちいいことも。だから私を満たしてくれた分も、エースにも気持ちよくなってほしい。
離すように言われるけれど、私の手の中でエースのそれは更に大きくなってるように思う。なので更に撫で回して。
私の決意が固いのを察したのだろう。しばらくしてエースは「今回だけだからな」と少し赤らんだ顔で答えた。
「ありがとう。私、頑張るね、エース」
「……その前に一回手とめて」
「でも止めたら逃げられちゃう……」
「今回は逃げないから」
改めて二度目はないぞと釘を刺してくるエースにしぶしぶ手を離す。ならば、ぐいっと引き寄せられてキスされた。
いつもと違って触れるだけのキス。もしかしたら案外、今のエースは余裕がないのかもしれない。それでもしたかったんだろう。始まったら、余計にできなくなっちゃうから。そんな彼がなんだかすごく可愛くて、胸がきゅんとした。
だったら私からいっぱいキスしようと心に決めながら、エースのズボンのファスナーに手をかけた。