気休めにならなかった
「そんなに気になるなら、オレ好みに開発されてみる?」
突然だが私は胸が無い。かろうじてふくらみがあるような気がする程度の、小学生にすら憐れまれそうなレベルの貧乳である。
そんな私にも人生初の彼氏ができて、ちょっと前にその……初体験を済ませたのだけれど。する前はエースは大きい胸が好きだから私じゃ興奮しないんじゃないかって不安だった。でもエースは「オレはお前の胸が見たいし触りたいの」と言ってくれて。
けどそれでも彼の好みから外れているのは悲しいし、どうせならエースにもっと見てほしいし触って楽しんでもらえるような胸になりたい。
そうして悩んでいたのがエースにバレて問い詰められた。とはいえ内容が内容だ。なのでちょっと迷ったけど私は正直に打ち明けることにしたところ、エースは何故か口を手で隠しながら冒頭の提案をしてきたのだ。
元より彼の為なのだからと二つ返事で了承して、それで。
「あ、う」
首筋と肩を通ってエースの指が胸に沈む。くすぐったいだけじゃない感覚に思わず声が漏れた。
埋もれるほどはないけれど、これまでたくさん彼に触られてきたそこは気持ちふっくらしてきたように思う。まあサイズは相変わらず変わってなかったけど!理想としては下に手を添えてたぷたぷ揺らせるぐらい欲しいのにな。
ふにふにと感触を確かめるようにエースは手を動かす。彼にも言われたのだけれど、最初の頃に比べてなんだかやわらかくなった気がする。そこに関してはエース好みに近づいてるみたいで嬉しい。
掌を使って脇と胸の境目を大きくさすられる。前はそこを触られてもくすぐったいだけだったのに、今では完全に快感を覚えるようになってしまった。
よく覚えてないけど、そこはスペなんとか乳腺という性感帯らしい。えっちの時に根気よく触り続けると絶叫するぐらい気持ちよくなっちゃう部分で「まあ開発しないとくすぐりと変わらないんだけどね」とエースは説明してくれたんだけど、挿入されながら触られていたから私としてはそれどころじゃなかったのだ。むしろこの程度でも頭に残していただけ褒めてほしいぐらいだ。
「今日は胸だけでイこうな、」
「えっ」
「最近のの反応を見てる限り、そろそろできそうだなーって……ダメ?」
声も顔もあざと可愛いけど、おねだりの内容はたぶんなかなかハードな事を言われてる気がする。手はがっつりさわさわと例の場所をさすり続けたままだし。
嫌なんて言うわけないのに。わかってるのか、わかっていないのか……確実にわかってるよなあ、エースだもん。それでも確認してくるのはたぶんだけども、私が選ぶことが彼にとっては重要なのだろう。だから恥ずかしながらも頷いてみせて。
OKを出した私に「ありがと」と言ってエースがキスしてくる。唇を合わせたまま、さっきとは逆に胸のアンダーラインから脇へとエースは指の腹でさすってきた。ぞわぞわとした感覚に体が火照る。
「ひあっ♡」
「のここ、めちゃくちゃえっちになったよな」
そう言ってエースは乳輪を緩くひっかくように指先でなぞる。思わず視線を下げた先にあった胸の先は彼の言うとおり、いやらしい様に変わってしまったように思う。前よりもぷっくりしてるし赤くなった、特にこうしてえっちしてる時は更に色濃くなってしまって。
だけどエースは指摘して羞恥心を煽るだけでまだ触ってくれない。いっぱい感じてしまうからいつも焦らされてしまうのだ。
両方の乳輪を触った後、彼の手はさっきとは逆の脇へと戻る。ゆるゆる揉む手付きは強いものではないはずなのに、体が仰け反るほどの快感が襲ってきた。思わぬ刺激に不安になって彼の顔を見る。私はよっぽど怯えた表情をしてたのか、あやすように彼がキスしてきた。耳元で気持ちいいの?とたずねてくる彼の声は優しくて、だから素直に同じ言葉を返すことができた。
「んーこっちでイけそうだけど、やっぱどうせならここがいいかな」
「ひゃ、ぅ、あっ♡」
ちゅっと音を立てて胸の先にエースが吸い付く。吸って離してを何度も繰り返した後、吸い付きながら下を舐められる。それに私はただただ甘い声をあげて。
こんな大きい声出したら、いやらしい子だって幻滅されちゃうんじゃないか。前はそう思って我慢してたけども、エースは私が感じる声が好きだと言ってくれたから今はいっぱい鳴いてしまっている。
舌先でツンツンとされるのにびくびく体が震える。軽く甘噛みされても痛みはなくて、気持ちよさにあられもなく感じてしまうだけ。
濡れた胸の先をエースはぴんと指で弾く。これまでの愛撫で敏感になっていた先端はそんな些細な刺激にも快感を拾い上げて。唾液によって滑りが良くなっているからか、つままれて捏ねられるのも普通に触られるのとは違う感覚があった。
きゅっと根元を引っぱられる。たぶん本当なら痛いはずなんだろう、でも今の私には強い快感しか覚えてない。彼の親指と人差し指に両方の先端をしごかれる。
気持ちよくて口が閉じれない、そんな私の顔はぐちゃぐちゃでみっともないはずなのにエースは「かわいい」と言って。
瞬間ぱちんと目の前で光が弾ける。喉も背も反って体が大きく跳ねて、びくびくと小刻みに痙攣していた。悲しくもないのにぼろぼろと涙が落ちる。ああ本当に私、胸だけでイっちゃったんだ。
「えーしゅ」
「もう舌回ってないじゃん、どうしたの?」
頭がぼんやりする。それから彼にも言われた通り、舌が上手く動かなかった。でもどうしてもこれを聞いておきたかった。
ぽふと彼の胸に寄りかかる。ふうふう、途切れ途切れの息を何とか整えて私は口を開く。
「わたしのむね、ちゃんと、えーすのこのみになってる……?」
「あー……そういえば、そんな名目だったっけ」
エースの言葉に思わず目を見開く。え、もしかしてエース忘れてたの……?
信じられないようなものを見る私の視線に彼は微妙な顔をしている。だ、だって私、本気で悩んでたのに。つい泣きそうになっていれば、すりと頬を撫でられた。
「最初から好きだって言ってんじゃん。だからアレはただ触るための言い分というか。まあ思った以上にお前が応えてくれるから結果的に開発しまくったんだけどさ」
「……でもおっぱい小さいままだよ」
「どんな大きい胸より、触り心地よくて、オレの手でとろとろになっちゃうお前の方が良いの!」
叫んだ後エースは私を押し倒してキスしてくる。覆い被さりながら彼は「もうオレ限界だから」と私のおなかをするりと撫でた。その言葉に確認した彼の下半身は大きくズボンを持ち上げていて。エースの興奮を感じ取ったおなかがきゅうと疼く。
「今度はこっちも開発していくから。中はもう教えたけど、外からはまだだったよな」
そう言ってエースはおへその下をくっと押す。いつもエースの熱にいっぱい責められる場所だ。覚えたらもっと気持ちよくなれるのだとエースは笑う。
これから起こるだろう未知の体験が少しばかり怖い、でもエースが与えてくれるならそれ以上に望ましくて。だから返事の代わりに私は彼の首へと腕を回した。