今朝もお楽しみでしたね

 朝起きたら夫の姿が見当たらなかった。椅子の上に畳んであったパジャマと、彼のアウターを掛けてあったハンガーが空になっている事からして、どうやらエースは出かけてしまったらしい。
 今日は休みだって聞いてたけど、仕事場から呼び出しを食らったんだろうか。時計の針は彼の始業時間から少しばかり過ぎた時間を示している。シーツに残ったエースの体温からして、彼が出かけてそれほど時間は経ってないようだった。せめてお見送りしたかったな……。
 昨晩もたっぷりと可愛がられた体はまだ疲れが抜けきっていない。肌やらシーツは清めてくれていたが、身に付けたものはそのままだ。
 もうほぼ紐みたいな下着はもっと肉感的な女性向けだったのだと思う。私の貧相な体では何も強調されず残念な結果に終わってしまった。いやまあエースは充分ムラッとしたみたいだったけど。
 もう一つ用意していた、今私が身に付けてる赤色のベビードールはたいへんお気に召したようで……凄かった。エース、セクシー系が好きって言ってるけど、実は女の子っぽいの結構好きだもんなあ……。
 たっぷり使われた布地のおかげでふわふわと可愛らしい印象がありながら、どこもかしこもスケスケかつ、かろうじて布と言える程度の生地の薄さで色っぽさを両立。しかもショーツはクロッチ部分の紐をほどくと大事な所が丸見えになる仕様。防御力皆無で、あまりにも心許ない。
 だから無事にミッションコンプリートした以上さっさと着替えるべく、だるさに負けそうになりつつも身を起こす。

「あっ……」

 起き上がった拍子におなかの奥からどろりと流れてきた感触に身震いする。
 せっかくエースがシーツ綺麗にしてくれたのに。こぷり、音を立てて昨晩中に出されたものが溢れ出てくる。もう手遅れだけどもこれ以上汚さないように、そしてもったいないという気持ちから、垂れた精液を指で掬って中へ押し込む。
 ぱっくり開かれたままの普段使いには絶対できないショーツはレース素材で。まだ剃られたばかりで敏感なそこに擦れるたび、むずかゆい。気にしないようにぐいぐい指を奥へ動かしたならば、たまたま中の良いところに当たってしまい小さく喘ぐ。
 いっぱい注がれたからだろう、押し込んでもすぐにとろとろ溢れてしまう。一度抜いて白濁をまとった指を眺める。独特の匂いが鼻を刺激した。

『後でえっちな下着付けてやってるとこ見せてよ』

 ふと、今の自分の行いに昨晩の彼の言葉を思い出す。結局、このお願いについては聞き入れなかった。というか、一晩中抱かれていたせいで機会がなかったと言った方が正しい。そうしてうやむやになって、しなくて済んだことに私は安心していた。

「……えー、す♡」

 なのに彼の精液に興奮した私は気付いた時には自慰を始めてしまっていた。中で指を動かして精液をかき混ぜる。
 昨晩たくさん抱かれたばかりの中はやわらかくて、指を増やしたところで簡単に飲み込んでしまう。だから太さも長さも全然足りないけれど、まとめた指をエースの熱に見立てて中を激しく出し入れして。
 どんどん溢れてくる愛液と彼の精液にスムーズに指が動いてしまう。互いの体液が混じり合ったその匂いは決して良いものではないのに、病みつきになっている自分がいる。嗅ぐほどに頭の奥が痺れて、子宮がきゅうと切なげに疼いた。
 寝てる間に引っ込んでいた胸の先がピンと主張している。ほんのり盛り上がった布地越しに見えるそれは膨れ上がって、何ともいやらしい。
 内壁へ精液を染みこませるように擦りつける。ぬちゅぬちゅ、ぐちゅぐちゅ、いやらしい音が鳴り続けて、それにまた興奮がかき立てられる。

「ぁんんっ♡ えーす♡ えーす♡ すき♡ ぁあっ♡」

 こんなの変態じみたところエースに見られたら幻滅されると冷静な私が諫めるけど指は止まらない。それどころか、こんな体にエースがしたのだと開き直って。
 彼の名前と好きを口にしながら、指の動きをエースに教えられたものに変える。一番自分が気持ちよくなれる、エースの触り方に。
 確かエースはイメージするのが大事なのだと言っていた。オレに触られてる想像しながらしてよ、と。だからその通りにすればあっという間に私は上り詰めた。
 気持ちいい状態からなかなか帰ってこれない。頭がふわふわする。なんとか呼吸を整えると急に空しさが襲ってくる。何をやってるんだろう、自分。絶頂後の倦怠感もあり、くたりとベッドに倒れ込む。その瞬間、私の頭上に影が差して……えっ?

「……あのさぁ」
「っ?! えっ、ええ、エース?!」

 微妙な表情を浮かべながら私を覗き込むエースに慌てて飛び起きる。居住まいを正す私にほんのり頬を赤らめたエースはむにむにと唇を動かしていた。
 現状にドッと冷や汗が吹き出す。がちがちに固まる私に見せつけるようにエースが持っていた袋をサイドテーブルに置いた。今まで気付かなかったが、ちゃんとしまわれたようでそこに昨晩のカゴはなかった。
 あと彼が置いた袋は私が前に気になっていると言った飲食店のロゴが刻まれている。ちなみにその店は徒歩で十分程度の場所にあった。そこから導き出された結論にサーッと血の気が引く。

「オレ、この通り朝食買いに行ってたんだけど」
「……いつ、帰ってきたの?」
「ちょうどお前がおっぱじめた時」

 手心のなさ過ぎる答えに再びフリーズする。彼にあの醜態を見られたことにも自分のマヌケさにも泣きたい。
 そうこうしている間にエースがベッドの上へ移動する。私の前に座ると彼はすかさず押し倒してきた。未だ恥ずかしがることしかできない私に覆い被さりながらエースは口付けてくる。

「とりあえず合格って事でご褒美な」

 ベビードールの裾が捲り上げられて、色んな物と行為でぐちゃぐちゃになった秘部が晒されてしまう。カチャカチャ、エースがベルトを外す音。その下は既に膨らんでいて。めまぐるしい展開に頭がくらくらする。

「またおなかいっぱいにしてやるから」

 舌なめずりするエース。獰猛なその動作すら絵になるのだから反則だ。食欲的な意味じゃないんだろうなあと確実に冷めてしまうだろう袋を視界の端に置きながら考える。
 そんなくだらない現実逃避はぐぷっと中に入り込む熱にあっという間に溶かされてしまうのだった。

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