冷める暇はない

「……だから言ったじゃん」

 突然だが私の恋人はイケメンである。だからもう正に水も滴るいい男を体現してくれるだろう、すごい見たいと私が欲を抱くのも至って当然のことだろう。その理屈はおかしいとか言わない!
 本当はプールへ行けば良いのかもしれないけども、あいにく私は水着なんて贅沢品を買えるような財政状況をしてない。なので私が取った手段は一緒にお風呂に誘うことだった。
 照明の明るさという大問題はあるけど、裸なんてもう見られ慣れて……はないけど、羞恥心より欲望が勝ってしまったのだ。
 ちなみにこの話は夕食中に切り出したのだが、エースは盛大に噎せてた。ただおかげでいつも余裕たっぷりな彼らしかぬ真っ赤な顔で動揺丸出しの声をあげる、そんな大変貴重な瞬間を見ることができた。
 ただ健全な男子高校生なら彼女からのこのお誘いにはウッキウキで乗ってきそうなものだけれど、エースはやたら渋って。でも最終的には根負けしたから、今私達は向かい合う形で湯船に浸かっているのだけれど。

「お前、絶対後悔するって」

 こうなるまえに濁るタイプの入浴剤はないかと彼が聞いてきた理由を今になって悟る。
 わがままを突き通し見たかった姿を見れて私は満足していたけれど、エースはそうはいかないと。そ、そうだよね、健全な男子高校生だもんね……
 私達が浸かるお湯は薄ピンクに染まっている、けれどしっかり底まで見える透明度を持ったままだ。おかげでその湯船の中で起こっている変化は丸わかりで。
 うっかり気付いてしまったが為、入浴とはまた別の条件で赤らみ黙り込んだ私のおなかをエースは撫でる。エースの掌の下で、ぽうと淡い光が宿った。

「あの、エース、」
「避妊魔法ですけど。しょーがないじゃん、ここじゃゴム付けても意味ないし」
「あがってからすれば……」
「散々お前のわがまま聞いたんだから、今度はオレのお願い聞いてくれる番じゃない?」

 ニヤっと意地の悪い笑みを向けて、エースが口付けてくる。水回りがまだ安定していないオンボロ寮のお風呂はぬるめなのだけれど、深まっていくキスに体が熱くてたまらない。
 唇を重ねたまま、エースは胸の膨らみを揉みしだく。彼の手が動くたびにぱちゃぱちゃと水面が波打つ。赤くなった胸の先をエースが弄るたびに私の口からは嬌声が溢れていった。
 いつものベッドでの行為とは違って、明るいせいでまじまじと自分の変化を見せつけられ、しかも声が反響してくるから自分の甘ったるい声をしっかり聞かされて。ぶわわと一気に体温が跳ね上がった。ぬるま湯だというのに、いつもよりまだ短い時間しか浸かってないのに、もうのぼせてしまいそう。
 濡れたせいで額に張り付いた前髪がうっとうしかったのだろう。かき上げる姿は実に様になっていてドキドキ胸が高鳴っていく。エースのわりと白い肌が、上気して薄桃になっているのもひどく色っぽい。

「ひ、う」
「すっげーぬるぬる、これお湯だけじゃないよな?」

 中途半端に開いていた足の間にエースの手が滑り込む。すりすりと秘部を指でなぞって、再びエースは性悪そうな笑みを私へ向けてくる。
 わかってるのに聞かないでほしい。きゅっと口を噤めば、それを割り開くかのようにエースは唇を寄せてくる。そしてそのままエースは指を胎内に差し込んできて。
 湯船の中でのこと。だから指と共にお湯が入ってきたことに私は悲鳴をあげたが、全部エースの口の中に吸い込まれてしまった。お湯の抵抗もなんのその、慣れとしとどに流れる愛液を利用してエースは好き勝手に指を抜き差しする。

、上乗って」

 すっかりできあがった私にエースは自身の膝を叩きながら促す。なんだか、さっき見た時よりも大きくなってるような。戦きながらもおずおずと彼の育ったそれへ上から秘部を宛がう。
 ただお湯の抵抗のせいか、なかなか入らなくて。戸惑っていた私の腰を力強くエースは掴む。あれ、嫌な予感が。

「〜〜〜ッああああ♡」
「うわ、あっつ」

 最奥まで一気にエースの熱が入り込む。ごちゅんと一緒に混じったお湯が奥へと叩き付けられた。
 いきなり与えられた快感に思考がオーバーヒートする。咄嗟にぎゅっと彼にしがみつけば、また中でエースのそれが大きくなって気がした。あつい、あついよ、えーす。うわごとのように呟く私の体をエースは無遠慮に揺さぶる。
 ざばざば湯船のお湯がエースの動きに合わせて揺れて溢れていく。いつもの私ならもったいないと思えたのだろうけど、今は彼がもたらす快楽に頭がいっぱいでそれどころじゃない。

「ひぅあ、ぁ♡ えー、す♡ おなか、あつい♡ あついよお♡」
「はぁ。や、ば……あー、ごめん、、も出すから」
「え……? あっ♡ あー♡ やっ♡ おくあちゅ、あ、ぁあ♡」

 奥に熱い飛沫がじわりと広がる。お湯とは比べものにならないその熱に子宮が溶けてしまうのではないか、なんて錯覚を見た。全部出し切るように奥へぐりぐりエースは先端を押しつけてくる。それに私はまた「あ♡ あっ♡」と甘えた声を上げていた。

「……ね、。もう一回しよ。一回出した分、今度はゆっくりできるしさ」

 私が許可を出す前にゆるゆるとエースは腰を動かす。彼が満足するのが先か、私がのぼせるのが先か、熱に溺れた頭でそんな事を考えながら私は彼に改めてきゅっと抱きついたのだった。

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